FXに限らず、相場とお付き合いしている方なら誰しもが知っているインジケーター「移動平均線」ですが、その期間設定は人それぞれ異なります。「長期なら13・26・52が良い!」や「200MAが最も信頼できる」など、様々な意見が飛び交っていますが、正解なるものは存在しません。
ちなみに管理人は20、50、100の3本を使っていますが、この数字に何か意味合いがあるわけではなく、ただ単に「覚えやすいから」という理由で選んでいます。
これはあくまでも持論ですが、トレーダーが用いる移動平均線が様々であるが故に、期間設定に拘ることそのものが無駄な行為で、むしろ注視すべきは「効き具合」つまりそのMAが持つ実績だと思うのです。では、実際のチャートを見ながら考察していきましょう。
移動平均線に沿ったトレンドから分かること
トレンド相場においては順張り(トレンドフォロー)が有利なので、そのためのツールとして移動平均線を用いたいところですが、大切なのは「意識されているかどうか」です。
上のチャートでは、50MAが意識され始めたポイントはA1で、MAに支えられるようにして上昇後、A2で再び同MAが意識されています。つまり、再び50MAが意識されたA3で買いエントリーすれば今後の伸びが期待できますが、これはあくまでも「同じMAに2回支えられた」という事実あってこそです。
その後は基軸となるMAが変わり、B1とB2のポイントで短期の20MAが意識され、B3では一旦下抜き揉み合ったものの、MAを上抜いた後は勢い良く上昇しています。これも先程と同様、B1とB2で「MAにタッチして明確な反発を見せた」という事実を確認しているからこそ、B3では自信を持ってエントリーできるのです。
いくら定番と言われている移動平均線でも、機能していない相場では何ら効力を発揮せず、それをエントリーの根拠にするのは好ましくありません。期間設定に拘るよりも、直近で意識され機能しているかどうか、つまりMAの実績に注視するほうがよほど有意義だと思います。
そもそも移動平均線って何のために使うの?
そもそも、なぜ多くのトレーダーは移動平均線を用いるのでしょうか。
付き合い方は人それぞれかと思いますが、管理人は「今の相場のリズム」を把握するため、3本の移動平均線を表示しています。短期MAを基軸として進んでいるトレンド相場は勢いがありますし、中期MAが意識されMA間の開きが小さければ緩やかなトレンドと読み取れます。
また、先ほどのチャートでも示したように、過去に何度かに識されたMAはトレーダーの注目を浴びる傾向にあるため、再度タッチしそうな場面ではエントリー材料の一つとして捉えます。
風向きを測るために「風速計」があるように、トレンドの勢いとリズムを知るために「移動平均線」を活用するのです。ただ単に「MAタッチでエントリー」や「異なるMAのクロスでエントリー」など、MAの本質を理解しないままシグナルとして使ってしまうと、どうしても"騙し"が頻発してしまうため、お勧めできません。
確実に勝ちたいなら、「MAが効いたトレンド」を狙い撃とう
数年前の管理人を含め、FXを始めたばかりの初心者さんは完全無欠な「聖杯」なる手法を求めがちですが、残念ながらそれはありません。しかし、素直にトレンド相場へ乗っかれば"負け続ける"なんてことは無くなりますし、順張りを極めれば聖杯にもなり得るのではと思います。
そして、順張りとMAはとても相性が良いのです。
まずエントリーに関してですが、1時間足や4時間足がMAに沿った綺麗なトレンドを描いているのを確認→再度同じMAに価格が戻ってくるのを待つ→5分足などの短期足で反発のサインを確認してからエントリー。
どこにでもありそうなシンプルな手法ですが、これが最も安定していますし、相場の本質に迫っています。
MAは、エントリーの材料としてだけでなく、利確のシグナルにもなり得ます。
下のチャートは、50MAが強く意識されている下降トレンドですが、上抜けた後は上昇トレンドへ転じています。ここで大切なのは、同じMAで何度も価格が跳ね返されている、つまり大勢のトレーダーが注目しているということ。
防衛線として守られ続けけてきたMAを価格がブレイクすると、ショートポジションを長期保有していたスイングトレーダーは利益を確定する(買い戻し)ので、下降トレンドの推進力は弱まります。つまり、それに便乗して決済すれば、大きな反転を食らう前に去る事が出来ますね。
このように、「MAが効いた綺麗なトレンド相場」だけに限定して取引すれば、経験と知識に自信が無い方でも安定して勝てるようになるでしょう。