FXに限らず金融関係に携わっている方なら既にご存知のことと思いますが、金融庁は国内FX業者の最大レバレッジを現在の25倍から10倍へ引き下げることを検討しており、早ければ今年2018年(平成30年)に実施されると見られています。
金融庁は「業者へ強制する訳ではない」と説明していますが、引き下げの動きが強まれば各業者がレバレッジ10倍で肩を並べるのは時間の問題であり、それもかなり間近に迫っている話です。
FX最大の魅力といえば、ハイレバレッジによる効率的なトレードが可能なこと。ただでさえ低い25倍レバを10倍にまで引き下げられてしまえば、新規参入組が減り「オワコン化」が目に見えていますが、一方で海外のブローカーに注目が集まりそうですね。特に、最大888倍のレバレッジを提供する最大手XMには、今後日本人トレーダーが殺到するでしょう。
目次
規制はこれが初めてではない!かつては数百倍レバレッジが当たり前だった国内FX
ここ数年で、国内のFX事情は激変しました。
外為法の改正によってFXが解禁された1998年から2010年頃まで、50倍はおろか400倍なんてハイレバレッジも当たり前で、他の投資とは比べ物にならないほどの効率に惹かれて多くのトレーダーが続々参入しました。
しかしそんな中、金融庁が不測の相場変動から投資家を守るためとの名目でレバレッジを最大25倍へ引き下げ、かつての「夢のあるトレード」は出来なくなってしまいました。
ハイレバ組にとっては正に悪夢だった7年前の出来事ですが、それが再び起ころうとしているのです。
レバレッジを引き下げれば、むしろ投資家の破産リスクは増える
「ハイレバレッジは危険だ」この言葉に騙されてはいけません。
確かに、ハイレバレッジな取引よりも低レバレッジな取引のほうが、損失を被る危険性が薄まることは事実です。しかし、それはあくまでも実効レバレッジの話で、口座の最大レバレッジは逆です。
では、例えば取引口座に20万円を振り込み、ドル円を取引する前提で話を進めましょう。仮に現レートが1ドル = 120円の場合、レバレッジ最大25倍の口座で1万通貨のポジションを持つために必要とされる証拠金は、10,000 x 120 / 25で4.8万円になります。余剰資金は15.2万円ありますから、あと3万通貨は持てる計算になりますね。
もしレバレッジが10倍へ制限された場合、同じ1万通貨持つのに要する証拠金は10,000 x 120 / 10で12万円です。残り8万円では1万通貨すら持てず、もし先程同様追加で万通貨持つためには、あと最低でも36万円を振り込まねばなりません。
このように、口座の最大レバレッジが下がると、ポジション量を変えずとも必然的に必要証拠金が増えてしまいます。もし資金がへこんだ場合、ハイレバレッジ口座であれば取引を続けることが可能ですが、低レバレッジ口座の場合は証拠金維持率をキープするために更なる証拠金を投入せねばならず、結果としてより多くの資金を損失のリスクに晒すことになります。
これからの時代、FXをやるなら海外ブローカーを選ぶべき
しかし、今騒がれているレバレッジ規制に見向きもしないトレーダー達がいます。それはずばり、海外のブローカーで取引をしている人たち。
海外では依然としてハイレバレッジが当たり前
FXは世界共通なので、当然のことながら海外にも業者は山ほど存在します。そしてそれらの海外業者は、かつての国内業者を思い起こさせる数百倍レバレッジを当たり前のように提供しているので、数万円元手に一年足らずで億トレーダーへと成り上がる!なんて話は別段珍しいものではありません。
日本では最も有名な海外ブローカー「XM」では、最大888倍もの超ハイレバレッジを提供しています。1ドル=120円のとき1万通貨のポジションを保つ場合、国内業者のレバレッジがもし10倍に引き下げられれば約12万円の証拠金が必要なのに対し、XMのレバレッジ888倍口座ではわずか1,300円ほどで済むので、必要最小限の資金を元手に大きな利益を狙えるのです。
もちろん、常にレバ888倍で取引する必要はなく、ロットの調節つまり実効レバレッジ次第では国内同様に25倍トレードも可能です。口座のレバレッジとはいわば乗り物の最高時速みたいなもので、国内が軽トラなら海外はF1カーみたいなイメージでしょうか。
海外業者の大半はゼロカットシステムを導入しているので「追証」が無い
しかし、仮に今の国内業者が海外並みのハイレバを提供したとしても、大多数のトレーダーは海外を撰ぶでしょう。
その理由は「追証」にあります。ひとたび相場が急変動すれば、顧客↔業者(ディーラー)↔インターバンクといった複雑な運営形態が災いして業者側の処理が追いつかず、結果として巨額の損失を被ってしまうわけですが、それを「追証」というかたちで顧客へ請求するのです。国内業者のホームページには、例外なく「損失は預託された証拠金の額を上回るおそれがあります」と明記されていますね。
しかし、海外では考えられない話です。それどころか、もし残高がマイナスになっても、それを業者側が補填する「ゼロカットシステム」という制度がほぼ全ての海外業者に採用されているので、口座残高以上の損失を被る恐れが無いのです。
国内業者が海外に太刀打ちするには、ハイレバ化の前にまずこの追証を無くせねばなりませんが、そもそも金融商品取引法によって「顧客の損失の全部若しくは一部を補てんする行為」が禁じられているため、この法が改正されない限りゼロカットは海外業者の特権になります。
第三十九条 金融商品取引業者等は、次に掲げる行為をしてはならない。
二 有価証券売買取引等につき、自己又は第三者が当該有価証券等について生じた顧客の損失の全部若しくは一部を補てんし、又はこれらについて生じた顧客の利益に追加するため当該顧客又は第三者に財産上の利益を提供する旨を、当該顧客又はその指定した者に対し、申し込み、若しくは約束し、又は第三者に申し込ませ、若しくは約束させる行為
三 有価証券売買取引等につき、当該有価証券等について生じた顧客の損失の全部若しくは一部を補てんし、又はこれらについて生じた顧客の利益に追加するため、当該顧客又は第三者に対し、財産上の利益を提供し、又は第三者に提供させる行為
XMの確固たる信頼も、ゼロカットあってこそです。約3年前の歴史的大変動「スイスフランショック」をも乗り切ったXMは当時、「影響は取るに足らないもの」とのメールと共に全トレーダーに対しゼロカットを適用しました。
重要なお知らせ
昨日のスイス国立銀行 によるEUR/CHF の上限撤廃の決定の結果、XM には影響がないことを弊社のお客様に保証致します。
今回の件における弊社のビジネスへの総括的な影響は取るに足りないものであります。
一方「アルパリUK」という業者は、顧客の損をカバーしきれず、破綻に追い込まれてしまうという衝撃的な出来事がありました。それでも尚且つゼロカットシステムが今日まで存在しているということは、各業者とも「注文をいかに速くさばくか」に全力を注いでいる証であり、自社の損失を顧客に押し付ける国内業者とは比にならない企業努力です。
呑み行為や約定拒否を平然と行う国内業者を、それでもあなたは使い続けますか?
極小スプレッドを全面的に押し出して顧客獲得を狙う国内業者ですが、それを支えているのは多くの初心者トレーダーが生み出した損失であること、顧客の損=業者側の利益であることを忘れてはなりません。
出来れば勝ってほしくない!というのが国内業者の本音なので、業者によっては意図した価格よりも不利な水準でさばかれたり、そもそも約定拒否されたりと、踏んだり蹴ったりな状況。昔に比べれば随分と改善されたものの、やはりゼロとは言い切れないのが現状です。
大手はどこも自前のプラットフォームを提供していますが、よくよく考えてみるとその中身は完全なブラックボックスであり、もし不正が行われていたとしても何ら不思議ではありませんよね。
対する海外業者の場合、ディーラーを介さないNDD(ノーディーリングディスク)方式が主流で、取引プラットフォームとしては世界標準のMetaTrader 4を採用しています。その構造上、国内業者のような呑み行為や約定拒否は起こり得ないので、純粋にスプレッド分だけで儲けているのです。
見せかけのスプレッドで客引きする国内業者と、適正スプレッドを提示して取引の透明性を確保している海外業者。「投資」に向いているのはどちらか、もう言うまでも無いでしょう。
初めての海外FXは、日本語サポート充実の「XM」がベスト
海外FXとはいっても、業者によって質はまちまちで、中には顧客の資金を持ち逃げしてしまうような悪徳業者もあるので(かなり稀ですが)注意が必要です。
管理人が真っ先に推したいのは、言わずとしれた大御所「XM」で、日本では最も人気を博している海外ブローカーです。最大の魅力はサポートで、Webサイトが全て日本語化されているだけでなく、常に日本人スタッフが常駐しており、平日は24時間体制で日本語ライブチャットとメールサポートがオープンしています。分からないことは日本語で質問できるので、英語に疎い方でも安心して使えるでしょう。
かなり長い記事ですが、『海外FX「XM」とは?長所・短所と国内業者との違いを超詳しく解説』にて同社の概要をまとめているので、少しでも参考にしていただければ幸いです。
第二の退避先は「仮想通貨FX」
第二の退避先としては、「仮想通貨FX」が挙げられますね。2017年末のような劇的な動きはありませんが、それでも法定通貨に比べれば段違いのボラティリティがありますし、テクニカル分析で攻略しやすい値動きをしているので、むしろ本家のFXよりも利が乗りやすいかもしれません。
仮想通貨もまた、国内業者は避けたほうが身のため
ただしこれも、ハイレバレッジなおかつゼロカット制度完備、そして約定力のある業者が絶対条件となります。
日本ではbitFlyerのLightning FXが有名ですが、追証が設けられているうえサーバーエラーが頻発しているので、メインで使おうとは思えません。
最近では、追証のないDMM Bitcoinが人気を集めているようですが、そちらは残念ながら最大レバレッジ僅か5倍。他業者よりも多くの証拠金を預ける必要があるので、相場の急変同時にはロスカットが間に合わず多額の損失を被る恐れがあります。
Zaifも有名ですが、過去に何度もサーバーエラーで(この会社だけ)レートが暴落しているので、選択肢にすら入りませんね。
現時点では「BitMEX」がベスト
現時点でベストといえるのは、仮想通貨専門のブローカー「BitMEX」でしょう。リップルやビットコインキャッシュは最大20倍、最も人気のあるUSD建てのビットコイン(XBT/USD)は最大100倍ものレバレッジを誇っていますが、どの銘柄においてもゼロカット制度完備で、口座残高以上の損失は被りません。十分な流動性を確保しているため、約定力もあります。
また、スプレッドはほぼゼロに等しく、指値で発注および決済を行うと、取られるのではなく逆に貰える「Maker手数料」というマイナス手数料が適用されるので、取引コストを極限まで抑えることが出来ます。
入出金も取引も、全てビットコインです。「交換所」ではないので、日本円や米ドル等の法定通貨で管理できないのは短所の一つとして数えられるかもしれませんが、反面、FXにありがちな本人確認や審査をせずに24時間365日いつでも始められるという手軽さは魅力的です。極論、ビットコインウォレットとメールアドレスさえあれば、偽名で登録しても全く支障ありません。