FX取引をする上で欠かせないのが「取引プラットフォーム」で、世界的に圧倒的なシェアを誇るのは、MetaQuotes Software Corp.が開発する「MetaTrader」。独自プラットフォームを導入している一部の国内業者は別として、ほぼ全てのFXブローカーはMT4もしくはMT5に対応していますよね。

一般的なアプリケーションの場合、新バージョンが誕生すればユーザーは次第にそちらへ移行する...というのが自然な成り行き。ところが、MetaTraderに関していえば、いまだに旧バージョンであるMT4が圧倒的に支持されており、新バージョンMT5は存在感が薄れているというのが現状です。

バージョンによる機能の違い、そしてMT5の普及がいまいち浸透しない理由についてみていきましょう。

分足・時間足の種類

目に見える大きな違いといえば、分足・時間足の種類でしょう。

MT4には4種類の分足 + 2種類の時間足 + 日足・週足・月足 = 合計9種類のタイムフレームが搭載されていましたが、MT5ではこれが倍以上に増えて計21種類に!

MT5に備わっている全てのタイムフレームをリストアップしてみると、こんな感じ↓ 追加されたものは太文字で示しています。

  • 分足:1分足、2分足3分足4分足、5分足、6分足10分足12分足、15分足、20分足、30分足
  • 時間足:1時間足、2時間足3時間足、4時間足、6時間足8時間足12時間足
  • その他:日足、週足、月足

管理人は、よく8時間足や12時間足、10分足などを用いるので、チャート分析に重きを置くならばMT5の方が断然使いやすいですね。

インジケータ開発に用いられる言語がMQL4からMQL5に→互換性が無い

MetaTraderは、独自のプログラミング言語「MQL」(Meta Quotes Languageの略)に対応していて、これはインジケータや自動売買プログラム(EA)開発に特化したもの。C言語に似通っているので、C言語を触ったことのある方なら比較的馴染みやすいかと思います。

しかし厄介なのがバージョンの違い。MT4→MT5へ移行する際、MQLのバージョンもMQL4からMT5へアップデートされ、双方は全く互換性がありません。

つまり、MT4用に開発されたMQL4プログラムをMT5へ移植する場合、同等の処理をMQL5で書き直す必要があるので、開発者と自動売買トレーダーがMT4を使い続けるのも頷けます。

インジケータに関しては、MT5もかなり充実してきたので、裁量トレーダーなら不便を感じることは無いはずです。

銘柄の検索および追加がより簡単になったMT5

MT4では、「通貨ペアリスト」ウィンドウ内にたくさんの通貨ペアが羅列されており、目当ての銘柄一つ見つけるのも一苦労。

MT5ではこれが見事改善され、「銘柄」ウィンドウにある検索フォームから銘柄名の一部ワードを入力するだけで、該当するものを速やかにリストアップしてくれます。また、各銘柄の詳細情報も瞬時に確認できます。

ナビゲーターウィンドウが整理されたMT5

インジケータやEAを呼び出す際に用いる「ナビゲーター」ウィンドウも、MT5で改善されました。MT4ではめちゃくちゃ長かったリストが整理され、スマートに収まっただけでなく、自身によって新たなフォルダを作ることも出来るようになりました。

要求されるパソコンのスペック

管理人自身はさほど体感していませんが、どうやらMT5はMT4よりも要求スペックが上がっているようで、特にメモリ(RAM)の消費量が増えたようです。なので、MT4の動作がぎこちない低スペックなパソコンでは、MT5の快適な動作は見込めませんね。

ただ、MT4はパソコン側のスペックを十二分に確保していても、それを活かしきれない作りだったので、今どきのパソコンで動かすなら断然MT5の方が快適でしょう。

インジケータや表示させるチャートを増やせば増やすほど、パソコンのCPUへ掛かる負荷も増えますから、パソコンの性能を最大限生かせるようチューニングされたMT5の方が有利なのです。

結論:従来のインジを使いまわしたいなら「MT4」だが、それ以外のトレーダーは「MT5」でOK

今回の記事では、MT4とMT5の違いを様々な観点からチェックしてみましたが、「従来のEAやインジケータをどうしても使いたいならMT4だが、特別な理由が無い限りはMT5がベター」という結論に至りました。

使い勝手と動作が向上しているMT5を、あえて避ける理由は見当たらないので、どちらか迷った場合はMT5を選んでおけば問題ないでしょう。

取引するなら、MT4とMT5の両方対応のFXブローカーを選ぼう

とはいえ、全てのブローカーがMT5口座を開放しているわけではなく、いまだにMT4オンリーのブローカーもあります。これもまた、MT5の普及が進まない理由の一つとして挙げられるでしょう。

記事を執筆している2018年2月現在の対応状況↓

ブローカー MT4 MT5
XM 対応 対応
FxPro 対応 対応
FBS 対応 対応
Titan FX 対応 非対応
AXIORY 対応 非対応
Land-FX 対応 非対応
Tradeview 対応 非対応
Big Boss 対応 非対応
FXDD 対応 非対応

現状では、MT4口座を開設し取引しても問題ありませんが、今後開発がストップしてしまう可能性も無きにしもあらずです。出来れば、MT4とMT5の両方を採用しているブローカーを選び、いつでも乗り換えられる体制をとっておくことが望ましいでしょう。

管理人のお奨めは、もはや知らぬ人は居ないほど超有名な「XM」。この業者は、Windows用に加えてMac用のMT4とMT5を提供しているので、マカーの方でも不自由なく取引できます。

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インストール方法に関しては、以下の記事をお読みください↓

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